2010年
冬季昇級審査会 | 第10回昇級審査会 12月5日 |
2010年最後の開催となった今回の冬季昇級審査会。青武学舎にとって通算10回目の開催という記念すべき審査会となりました。
内容的にも過去にはない程の充実したものとなりました。それは受審者各人の技量だけではなくこの日を迎えるまでの『稽古における熱気』、あるいは当日のスタッフ・1級の方々の迅速かつ温かなサポートからなる『行事進行の完成度』など、細部に亘ってその充実さを感じることが出来ました。
今回、白・オレンジ・青帯の型審査は試合形式では行わなく、細やかなジャッジによる採点制で行われました。
「ミスは絶対にしないように」と事前に警告をした上でのこの方式は年少・初心者には緊張感を促し、『自分自身の弱い心との闘い』の模様となりました。
100名以上の受審者に囲まれた中での審査はそのプレッシャーも大きかったと思われますが、日常では余り味わえない良い経験となったことでしょう。型の技術向上にも役立った様に感じられました。
黄・緑・茶帯の型試合は白熱したものとなりました。特に黄・緑線有りの部は接戦が多く、判定を下す審判も悩ます?試合が続きました。
立ち方だけではなく『技の切れ』具合なども勝敗を決めるポイントとなった様です。
白熱した型試合とは対照的に型の『昇段審査受審資格査定テスト』は重厚な空気を感じさせる中で各道場の仲間が見守る中、粛々と行われました。
決して意図的に作り上げたものではないのですが型の査定テストは回を重ねるごとに緊張感の漂う空間が構築されてきた様な印象を受けました。
第三者である『審判に勝敗を決めてもらう』試合とは違い、各道場の上級者であり準指導員でもある1級が全員一斉に型を披露するこのテストはミスをしたり他者より劣るのならば、(今後の空手修行に繋げるためにも)潔くその力量不足を自らが認め・反省し『恥じる』世界といえるのかも知れません。
出来ない型があれば自ら挙手し、少し表情を強張らせながらも退場していく。
その潔い振る舞いの中にも「見苦しい真似はしたくない…」という少年・少女でありながらも彼らの胸中にある『プライド』が見え隠れしておりました。
また最後まで残り型を演じた者には憧れの眼差しで見守る姿に青少年らしく嫉妬心の無い『素直さ』を感じさせてくれました(後日各道場の1級の間で「~道場の○○君の型が凄かった!」などの会話が多々聞かれました)。
組手試合においても、茶帯以上の上級者の組手は初・中級者の色帯と比較して強さだけではなく攻守の技術のバランスや間合い・タイミングの取り方などに長けており、空手の経験の無い御父兄の方々からも
「やはり茶帯になると動きが綺麗で違いますね!」
といった感想が聞かれました。
また試合時の挨拶などの礼儀もきちんとしておりました。
やはり道場における黒帯のあるべき姿とは謙虚な姿勢でありながらも本人がその強さと力量に自信と誇りを持ち、周囲も「彼が黒帯を締めるのならば納得ができる」と認められたものが理想的なのではないかと思います。
この『黒帯への道』のコーナーも最下部の第1回目の昇級審査会時は殆んどが個性の無い白帯の初心者でした。
しかしこれからご覧頂く写真から(回を重ねて)今回第10回目ともなりますと、僅かながらもキラリと光り輝く個性を携えた道場生が現れてきたことを感じて頂けるのではないかと思います。
青武学舎初の黒帯誕生もいよいよ秒読みの段階となってきたようです。
会場前に先生から業務の説明を聞く1級軍団。 今回も大活躍でした(感謝!) | ズラリと並んだ受審者たち。緊張感が漂います。 |
筆記テストの余りの時間は各自各自精神統一。 これから闘いが始まる… | 基本稽古の進行は当麻道場S・Y1級! 統率力が問われます。 |
大迫力の基本技の審査。柳澤1級は動じず見事に100名以上の受審者を一人でまとめ上げました(立派!)。
白・オレンジ・青帯審査会
オレンジ帯『太極Ⅰ・Ⅱ』 | 青帯『太極Ⅲ・平安Ⅰ』 |
白帯『約束組手』 | 初めての審査会。 この日の為に頑張って稽古してきました。 |
どっちが「決まって」いるかな?
白帯恒例の基礎体力テスト。先輩も通ってきた道。見学者も思わず「頑張れ!!」
オレンジ・青帯の最後の試練は連続組手。 1級先輩の目が光る。 | 最後の方はかなり苦しそうでしたが、 最後まで皆頑張りました。 |
型試合
黄帯型試合『平安Ⅱ』 | 緑帯(4級)型試合『平安Ⅲ』 |
緑帯(3級)型試合『平安Ⅳ』 | 茶帯(2級)型試合『平安Ⅴ』 |
どの帯の試合も真剣さが伝わる熱戦が続きました。
昇段審査受審資格査定テスト
粛々と進行していく査定テスト。自信の無い型は自ら「潔く辞退」し、退場して行きます…
型 『最破(サイファ)』
型 『突きの型(ツキノカタ)』
型『十八(セイパイ)』
組手試合
上段回し蹴りが炸裂! | 見事。「技有り!」 |
今回の組手試合は実力が拮抗した者同士の組み合わせが多く、延長戦にまで縺れ込むケースが続出しました。最後の最後は意地?
力強い膝蹴り | 間一髪で受けた?スリリングな攻防。 |
踵落としが命中!
接戦だった上級者女子のこの2試合。 | 試合後は爽やかに健闘を称え合っておりました。 |
今回実験的に行われた大谷1級(当麻)の『1級同士による』連続3人組手。心身とも崩れずに完遂する事が大切です。
中学生のライバル同士?の対決。なんとも豪快な踵落としです。
全ての試合・審査を終えた上級者の道場生。長時間に亘りましたが最後まで頑張りました。
夏季昇級審査会 | 第9回昇級審査会 8月29日 |
記録的に猛暑日が続いた2010年の夏休み。
その最後の日曜日に行われた夏季昇級審査会は『恵みの雨』を期待していましたが… 生憎外は快晴でエアコンの無い会場内は非常に蒸し暑く、過酷な状況下での開催となりました。
熱中症による事故が懸念された為、その対策の一つとして今回からまだ体の弱い幼年・小学生低学年の多い白・オレンジ帯の部の審査会を前半に行いました。
終了後一度その部のみを閉会・解散し、後半の型・組手試合・『昇段審査受審資格査定テスト』に移行するという『同時開催の2部制』で進行されました。
初の試みでしたが、混雑も少なくスムーズに進行ができ、このところ増え続ける審査会参加者への対応の面でも効果的でした。
また受審者の集中力を持続させる意味でも有効でしたので、今回だけではなく今後もこの形式が定着することと思われます。
『昇段審査受審資格査定テスト』も徐々に青武学舎の道場生の中でも浸透してきたようです。
1級を合格したという喜びと同時に
「これからが大変なんだよなあ…」
という言葉が新1級当人だけでなくその御父兄の方々の間でも聞かれる様になりました。
『学校を卒業して次の世界にステップ・アップする時の緊張感』に似た?この感覚は上級者としての自覚を促すものとなることでしょう。
またこれまでの数回『昇段審査受審資格査定テスト』に挑戦してきた子からは
「ここまで頑張ってきたのだから必ず黒帯になるぞ!」
という言葉がしばし聞かれました。
まだまだ少年・少女である彼らながらにも数年間に亘っての積み重ねによって築いてきた『1級という立場へのプライド』を感じられ、頼もしく思いました。
また審査員の先生方から会終了後、
「青武学舎はスタッフと1級の方々の働きぶりが素晴らしい!」
とお誉めの言葉を頂きました。
誠に有り難く、道場としましても嬉しい限りであります。
やはり黒帯というものは本人の努力だけではなく、様々な方々との関わりとご協力によって育てられるものなのだと改めて今回の審査会で感じることが出来ました。
その事は黒帯を目指し厳しい空手修行をする道場生も各自自覚すべきことでしょう。
この『黒帯への道』のコーナーをご覧になられ見守って頂いている皆様にもその事をお伝え出来れば…と思います。
開会前のミーティング。 今回は1級軍団が大活躍してくれました。 | いよいよ緊張の開会。皆真剣な表情です。 |
まずは筆記テストから。 学年によって内容が違います。 | もう上級者は慣れたもの? 「う~ん…」 |
実技審査は基本稽古から。 | 技の正確さだけではなく気迫や一生懸命さなど 内面的なものも評価されます。 |
苦手な人が多い?『柔軟性テスト』 | 拳立て50回は挑戦者のみ。 「まだまだ!」「もうだめ~」「頑張れー」 |
白・オレンジ帯審査会
オレンジ帯の型審査。試合形式でない代わりに失敗の場合は『保留』となる厳しさ。 うっかりミスの無いように…
白帯の約束組手と基礎体力の審査。 | 青武学舎では「気持ちの強さ」を養うために 基礎体力強化稽古も厳しいです |
オレンジ帯は連続3人組手。この日は暑くてキツかったと思いますが良く頑張りました。
白・オレンジ帯の審査会はこれで終了。頑張ったご褒美に先輩からお菓子のプレゼント!
型試合
黄帯型試合『平安Ⅱ』
緑帯(4級)型試合『平安Ⅲ』
緑帯(3級)型試合『平安Ⅳ』
型試合は帯色関係なく真剣で白熱したものとなりました。「僕が(私が)1番だ!」
組手試合
上段前蹴りが炸裂 | 回し蹴りを捌いて反撃 |
とても暑かったこの日、どちらも譲らず再延長戦にまで縺れたこの試合。本当に良く頑張った!
激しい蹴りの攻防 | 上段回し蹴りVS上段回し蹴り 「技あり!」 |
中段回し蹴りがヒット!
上級者の連続組手。技術・体力・精神力など、細かく先生方に見られます。
連続組手は後半になると苦しい…。必死に闘い抜く。
とても暑い中での昇級審査会、皆本当によく頑張りました!黙想しながら何を思うか…
春季昇級審査会 | 第8回昇級審査会 4月18日 |
8回目を迎えた春季昇級審査会は実に春らしい暖かな気候の中、激しい熱戦が長時間に亘って繰り広げられました。参加者も100名を超え、過去最大人数での開催となりました。
時期的に3周年に該当する今回の昇級審査会は緑・茶帯の受審者の人数が多かったのが印象的で、技術的にも少しづつではありますが高度な攻防が見受けられ3年間の道場生の成長を感じさせてくれました。
今回からいよいよ『昇段審査受審資格査定テスト』が本格的なものになってきました。
先の昇級審査会で1級に昇級した道場生(『準指導員』という立場になります)は4ヶ月間もの間、この日を目指し1つでも多く昇段審査会の課題型の査定を受審出来る様に稽古に励んでおりました。
昇段審査を受審するために最低限の条件として(あくまでも受審のみ)、事前に昇段審査受審の際の課題型の査定を全て終えていなければなりません。
「頑張れば頑張る程、早く黒帯に近づける」
というこの査定テストは各自の『稽古におけるモチベーション』と『技術的なポテンシャル』を引き上げることにおいては効果的に感じました
(この4ヶ月間を見た様子では積極的に他の道場に出稽古に行ったりなど各人努力の姿勢が見受けられました)。
日常の稽古において、一般部・少年部ともにキャリアを重ねて1級にまで駆け上がると,慣れというものが生じ、マンネリズムに陥るという悪循環を引き起こします。
まず自分自身が黒帯に昇段するということを課題型の修得という身近なものから意欲を持たせ、常に刺激を与えることによってマンネリズムに陥ることを防ぎ、それを修得した際の充足感を上級者としての自信に繋げられるものになればと思います。
最もこの『昇段審査受審資格査定テスト』に挑戦している道場生は言わば『猶予期間』の最中にあり、この時期に稽古を通じて組手・実戦においても強さと技量を高め、道場としましては各人の武道家としての『人格の陶冶(とうや)』を行い、見守り支えなくてはなりません。
特に
「頑張れば頑張る程、早く黒帯に近づける」
という脱マンネリズムの為に打ち出した、言わば『成果主義』的な育成方法の弊害も認識した上で、あくまでも青武学舎の理念にブレが無い『黒帯への道』でなくてはなりません。
よって昇段審査挑戦まではここからさらにある程度の期間を要することとなります。心・技・体すべての面での成長を求められる時期だと思われます。
いよいよこの『黒帯への道』のコーナーも具体的にどの様な黒帯が誕生するのかを見守る段階となってまいりました。
まずは基本稽古の審査。どの顔も気合い一杯の元気な表情です
「ぼくの蹴りどう?」 「ボクの方が高く蹴れるぞー!」 | 基礎体力テストはキツイけど「気合い」で頑張る! |
青帯の型試合は『太極Ⅲ』と『平安Ⅰ』 | 皆真剣な表情です。「少し崩れたかな…」 |
黄帯は『平安Ⅱ』 | 騎馬立ちはしっかり落として |
緑帯の型試合『平安Ⅲ』のフィニッシュ。 「決まったかなぁ」 | 真剣な表情です |
茶帯の『平安Ⅴ』。 | 1級への昇級をかけて激戦が続きました。 |
初めて昇級審査会に挑戦する白帯は緊張気味?約束組手、基礎体力テストに必死に挑む
いよいよ本格的になってきた『昇段審査受審資格査定テスト』。上級者の真剣な面持ちに会場は独特の緊張感が漂う
平安は全て『裏回り』になる為、やや苦戦気味?
そして組手試合へ― | 今回も激戦が続き、 延長戦まで縺れる試合が多かったです。 |
激しい打ち合いの接戦を制した見事な上段回し蹴り。「技あり!」
オレンジ帯は連続2人組手。初めての組手試合で初めて戦う相手。気合いが入っておりました
「相手と自分自身に勝つ!」 苦しい2人連続組手!